The Coolies/Uh Oh! It's...The Coolies
★★★★
再結成パンドラスは故ポーラ・ピアースに仁義を切る形で過去にポーラ・ピアースが書いた曲とカヴァーしか演奏しないので、キムとメラニーのマフス組はオリジナル曲を演りたくなったのだろう。クーリーズはこの2人にパルミア・デルランを加えて結成された新バンド。パルミラ・デルランは90年代前半のピンク・スリップ・ダディ時代にシンパシー・レーベルからアルバムを出していてマフスとレーベル・メイトだったので、その頃からの仲だと思われる。
EPのタイトル曲になっている「Uh Oh!」は、マフスの『Really Really Happy』のスペイン盤のボーナス・トラックでもあったので、そこからもキムのこのバンドに対する気楽なノリが伝わってくる。パンドラスからの延長でキーボードの比重がやや高いが、マフスのロイ(レッド・クロスから脱退してしまったのは残念)が2曲でドラムを叩いているので、その辺の楽曲は実質ほぼマフス。全体としてはマフスよりもザ・フー的なテイストが薄くなってガレージ・ポップ色が濃くなった感じ。ブルース・スプリングスティーン&ザ・Eストリート・バンドのスティーヴ・ヴァン・ザントもゲストとして参加して何故かテルミンを弾いております(マフスの1stアルバムにおけるジョン・スペンサーの役割)。とりあえず久しぶりにキム・シャタックのソングライティングをたっぷり堪能できたので満足です! 全6曲15曲。本作の収益は全てALS(筋萎縮性側索硬化症)基金への寄付になるとのこと。