2019年7月6日(土)に渋谷ユーロライブにおいて、はみ出し者映画の特集イベント「サム・フリークス Vol.5」を開催します。上映作品は『まどろみの二コール』(日本初上映)と、『スポットライト 世紀のスクープ』でアカデミー賞作品賞を受賞したトム・マッカーシーの監督デビュー作『ステーション・エージェント』の2本立てです。前売チケットはPeatixで販売中です


2019年10月20日(日)に渋谷ユーロライブにおいて、はみ出し者映画の特集イベント「サム・フリークス Vol.6」を開催します。上映作品は児童映画クラシック『若草の祈り』と、文芸映画版『マッドマックス 怒りのデス・ロード』というべき大傑作『わが青春の輝き』の文芸フェミニスト映画2本立てです。前売チケットはPeatixで販売中です


「ダム・インク(Dumb Inc.)」名義での活動も。
バンドキャンプで「隣り合わせ」や「」といった曲などが試聴&フリーダウンロードできます。SoundCloudもあります。


★★★★★=すばらしい ★★★★=とてもおもしろい ★★★=おもしろい ★★=つまらない ★=どうしようもない

大傑作『インスタント・ファミリー 本当の家族見つけました』を日本語字幕版で観ていると、やはり日本語圏は英語圏と比べると「血の繋がり」という呪いが遥かにデカすぎると思わざるを得ない。だって『インスタント・ファミリー』で登場人物は「biological father(生物学上の父親)」「biological mother(生物学上の母親)」と言っているのに、日本語字幕になると「実の父親」「実の母親」となるんだもの。(そういう翻訳になってしまうのは仕方ないとはいえ)じゃあ血が繋がっていないと偽物なの?って話じゃん。そういうところに自覚的でないから『ガラスの城の約束』のゴミみたいな感想が垂れ流されてしまうんだと思う。そして、そんな価値観なんてアホだろ、というのが『インスタント・ファミリー』という映画なのであります。

ダントツで2019年のベスト1映画である『インスタント・ファミリー 本当の家族見つけました』を日本盤Blu-ray/DVDで観たんだけど、本国公開版との大きな違いを発見。アメリカ版ではエンドクレジットで「里親制度に興味のある方はこちらまでどうぞ」と案内のURLが真っ先に表示されるんだけど、日本版ではそこが丸々カットされてましたね。これって実は重要な改変で、映画を観てそれで終わりではないですよ、あなたの言動や行動は世の中を良くしたり悪くしたりすることに直接繋がっているんですよ、という真っ当な提言になっているのだから(もちろん、国よって制度の違いがあるだろうから、カットされたのも仕方ないとは納得できる)。

たとえば『ガラスの城の約束』について、「『へレディタリー/継承』のようなホラー映画と思えば楽める」というような意見があるけれど、今の時代においては児童虐待をそういう風に「消費」していいものとはとてもじゃないけど思えないですよ。だから自分は「サム・フリークス」のようなイベントをやっているし、『インスタント・ファミリー』のような姿勢の映画を観ると本当に救われます。

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というわけで、『ドント・シンク・トワイス』の『アメリカ映画が描く「真摯な痛み」Vol.2』上映版とNetflix配信版をザっと見比べてみたけど、翻訳の上手い下手はさておいて、エモさという点では『アメリカ映画が描く「真摯な痛み」Vol.2』上映版(つまり自分が翻訳した方)が上だったな。「サム・フリークス」の上映作品エモくなりがち問題。というか『グッド・ヴァイブレーションズ』の日本版予告編でも「その音楽は、紛争の続く北アイルランドベルファスト>で若者達と1人のレコード店主に生きる理由を与えた」って宣伝文句が出てくるけれど、そもそも「生きる理由」っておいらがよく使うエモ意訳の定番フレーズだからな(『ニュー・カントリー』のラストでも使ってる)。ってな感じで『グッド・ヴァイブレーションズ』では自分が提供した日本語字幕が使われる予定です。

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2年前に『アメリカ映画が描く「真摯な痛み」Vol.2』で日本初上映した『ドント・シンク・トワイス』が日本のNetflixでもようやく配信開始されましたー(字幕は自分が翻訳したヴァージョンじゃなくなってますが)。 あっこゴリラさんも「人生最高の映画」として挙げた大傑作なので是非! タイトルはもちろんボブ・ディランの「Don't Think Twice It's All Right(くよくよするなよ)」からの引用です。

そういえばkamuiが(子供の頃に暴力を振るわれて縁を切っていた)実の父親から最近になって母親伝いで「また会いたい」と言われたことに対して、「絶対に会わねえ。お前が俺の人生に入り込む隙間なんて1ミリもねえんだよ」とインスタライブではっきり拒絶していたのは凄く勇気付けられた。傷つけられた子供は何も悪くないし、傷つけた奴を無理して許す必要なんてないのだ。『ガラスの城の約束』とkamuiと、どちらが本当に傷ついた人間の心に寄り添っているのかって話ですよ。ちなみに自分も死ぬまで親と会うつもりはありません。

「家族バラバラ/顔も忘れた」