2019年7月6日(土)に渋谷ユーロライブにおいて、はみ出し者映画の特集イベント「サム・フリークス Vol.5」を開催します。上映作品は『まどろみの二コール』(日本初上映)と、『スポットライト 世紀のスクープ』でアカデミー賞作品賞を受賞したトム・マッカーシーの監督デビュー作『ステーション・エージェント』の2本立てです。前売チケットはPeatixで販売中です


2019年10月20日(日)に渋谷ユーロライブにおいて、はみ出し者映画の特集イベント「サム・フリークス Vol.6」を開催します。上映作品は児童映画クラシック『若草の祈り』と、文芸映画版『マッドマックス 怒りのデス・ロード』というべき大傑作『わが青春の輝き』の文芸フェミニスト映画2本立てです。前売チケットはPeatixで販売中です


「ダム・インク(Dumb Inc.)」名義での活動も。
バンドキャンプで「隣り合わせ」や「」といった曲などが試聴&フリーダウンロードできます。SoundCloudもあります。


★★★★★=すばらしい ★★★★=とてもおもしろい ★★★=おもしろい ★★=つまらない ★=どうしようもない

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映画『マーダー・ミステリー(監督:カイル・ニューアチェック)観賞。★★★★★

 

アダム・サンドラーの新作は『影なき男』シリーズの系譜に連なる「おしどり夫婦探偵もの」。今のアダム・サンドラー映画でも脚本がしっかりしていればきちんと面白くなるという好例で、近年のハッピー・マディソン社の作品の中ではダントツに出来が良いのでとりあえず絶賛しておく。アダム・サンドラーの役名が「ニック」でウィリアム・パウエル風の口髭を付けており、「最後に主人公達が関係者全員を一堂に集め、犯人を名指しする」という作りになっていることからも『影なき男』からの影響は明らかだが、彼の妻を演じたジェニファー・アニストンの役名が「オードリー」って、もしかしてオードリー・ヘプバーン→『シャレード』という連想なんでしょうか。『影なき男』も『シャレード』も、どちらも往年のハリウッドの洒落たコメディ風味のミステリー・サスペンス。今回の『マーダー・ミステリー』もよくよく考えると人が死にまくる物騒な内容ではあるものの、ハッピー・マディソンらしい能天気なユーモアが上手くそれを和らげている。監督は『コミ・カレ!!』や『ゲームオーバー!』を手掛けてきた新鋭カイル・ニューアチェックで、いつものスティーヴン・ブリルデニス・デューガンフランク・コラチといった馴れ合っている監督を起用しなかったことで97分というタイトな仕上がりになった、と思う。

 

IMDbの該当ページ

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6/12は恵比寿baticaで釈迦坊主、なかむらみなみ、原島宙芳を観られるので足を運ぶ予定。釈迦坊主は「Now loading (skit)」で(おそらく)R.E.M.の「Endgame」をサンプリングしているので好き。R.E.M.をサンプリング/引用するヒップホップ・アーティストなんてジェイZ(「Heaven」)か釈迦坊主ぐらいなもんでしょ。そしてどちらも『Out Of Time』収録曲からという(KRSワンが参加しているアルバムだから?)。

SANTAWORLDVIEWはTENG GANG STARR / kamui絡みで2回ライヴを観てるけど、ほんの2ヶ月で人気が一気に爆発しててマジで凄いと思った(「Pink juice」で巻き起こる大合唱!)。件の「Pink juice」は「マリファナ鼻から摂取」というフレーズがパンチラインすぎる。尾崎豊の「Freeze Moon」ばりの間違い(「ドラッグクイーン」を女装家ではなくて「麻薬の女王」だと勘違いしている)と言えなくもないんだけど、言っていることがメチャクチャであるが故に逆にヤバさを感じさせるという。

 

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Miley Cyrus/She Is Coming

 

★★★★★

 

2019年末にリリースが予定されているアルバム『She Is Miley Cyrus』からの先行EP第一弾(このあと『She Is Here』『She Is Everything』とEPが続いてアルバムがリリースされるとのこと)。前作『Younger Now』がカントリー回帰な内容だったのに対して、今回は再びマイク・ウィル・メイド・イットとのコラボを含む『Bangerz』路線のヒップホップ色が濃い目な内容。これはどちらの方がマイリー・サイラスらしいかという話ではなくて、もともと彼女はドリー・パートンをゴッドマザーに持つルーツに根差したカントリー畑の資質と、コンテンポラリーなポップ・シンガーとしての資質の両方を兼ね備えているのだから、どちらも彼女の一面に過ぎないのだと思う。だから『ハンナ・モンタナ』の二重生活/二重人格という設定は彼女そのものだったのであり(実際に役名も「マイリー」だったし)、本作から始まるEPシリーズはそんな彼女の多面性を見せる内容になっていくのではないかと予想。

 

とはいえ、「Don't Fuck With My Freedom(私の自由を邪魔するな)」と力強く宣言する(かつての「Liberty Walk」を彷彿させる)「Mother's Daughter」から始まる本作の久しぶりのハジケっぷりはやっぱり最高である。ル・ポールの参加も、前作でドリー・パートンが参加していることを考えれば筋の通った人選であるわけで(『ダンプリン』を観れば分かるように、ドリー・パートンはLGBTQコミュニティから強い支持を受けているシンガーである)、とにかく頼もしいことこの上ない。