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歳を重ねるにしたがって顔がどんどん伸びていくベン・リーの7thアルバム。ちょっとどうかしてるんじゃないかと思ってしまうジャケットのセンスにまず驚かされるものの、今や彼はドノヴァンの義理の息子なわけで(なにしろ嫁がアイオン・スカイ! 『セイ・エニシング』!)、もしかしたら義父からの系譜を受け継ぐために彼なりの吟遊詩人観を表現したものなのかもしれないな。
ルーニーのロバート・シュワルツマンとの共作を含む前作『Ripe』はベン・リー流パワー・ポップ・アルバムといった趣きの傑作だったが、ジェイソン・シュワルツマンとの共作を含む本作ではさらなる高みに到達。先行シングルの「I Love Pop Music」というタイトルが象徴的なように、ポップであることに徹底的に腹を括った作品となっている。っていうか「I Love Pop Music」だよ、「I Love Pop Music」! もうこれだけで全て許せるって感じじゃないか。久保憲司氏がフリート・フォクシーズをストーン・ローゼズに例えていたけれど、そういう意味でいうと本作はライラック・タイムがセカンド・サマー・オブ・ラヴに触発されて発表した『And Love For All』に近いビートリーな味わいがある。「Yoko Ono」なんてナンバーがあるぐらいだし。
ビートリーといえば、以前から報じられていたズーイー・デシャネルとの共演ナンバー「You're The Reason」を含むコラボレーション・アルバム『A Mixtape From Ben Lee』はいつになったら出るんだよ、と思っていたら、今年後半にようやく発売されるみたいね。
ベン・リーといえば、彼が主演したオーストラア版『バス男』とでもいうべき青春コメディ映画『The Rage In Placid Lake』が素晴らしいんだけど、それはまた別の話。
↑こちらは前作『Ripe』収録曲。マイケル・ジャクソンの「Black Or White」をパロってるのが最高! 文句無しに名曲、ですな。