Original Soundtrack/Funny People
★★★★
ジャド・アパトー監督作はおいらにとって鬼門なので、いくら主演がアダム・サンドラーであろうとも実際に観るまでは警戒していくつもりなんだが(しかも「童貞」→「出産」ときて、今回は難病映画らしいし)、このサウンドトラックの魅力にだけは抗えなかった。だってズーイー・デシャネルが牽引してきたビートリーな潮流からの影響をモロに反映した内容になっているのだから。
なにしろオープニング・ナンバーはポール・マッカートニーの「Great Day」! 締めはリンゴ・スターの「Photogrph」〜ジョン・レノンの「Watching the Wheels」! 「Photogrph」はリンゴとジョージ・ハリスンの共作曲なので、実質的にはビートルズの4人が揃い踏みしているというわけ。さらに、これらの曲の間にはココナッツ・レコード(ジェイソン・シュワルツマン)のビートリーな傑作『Davy』から「Wires」と「I Am Young」が! アダム・サンドラーの歌う「Real Love」が! しかも、この「Real Love」は途中で「Isolation」のフレーズが出てくる、つまり「Real Love」のさらにオリジナルである「Boys And Girls」を下敷きにしたヴァージョンなのだから堪らなすぎる。
ウォーレン・ジヴォンの遺作である『The Wind』から2曲も選ばれているのは、おそらく映画の内容に沿っているんでしょうな。そういえばアダム・サンドラーは以前に彼のトリビュート・アルバムに参加していたっけ。全14曲51分。