Coconut Records/Goats (Original Score)
★★★
スザンナ・ホフス『Someday』でのプロデュース・ワークが素晴らしかったミッチェル・フルーム。そういえばココナッツ・レコーズ(=ジェイソン・シュワルツマン)のビートリーな傑作『Davy』も彼のプロデュース作なんだった、というようなことを思い出していたら、ちょうどいいタイミングでココナッツ・レコーズの新作が発売された。
今回はグラハム・フィリップス/ヴェラ・ファーミガ/デイヴィッド・ドゥカヴニー主演の映画『Goats』のサウンドトラックで、これまでにもジェイソン・シュワルツマンは『素敵な人生の終り方』*1のスコアなどを手掛けたことがあったので特に驚くようなことでもないんだが、今回はジェイソン・シュワルツマン名義ではなくココナッツ・レコーズ名義での発表。全曲が『レッド・デッド・リデンプション』や『L.A.ノワール』などの音楽を手掛けたウディ・ジャクソンとの共作で、あくまでも習作といった雰囲気だった『素敵な人生の終り方』のそれと比べると気合いの入り方が違うという印象。基本的には『Davy』の路線を継承したビートリーかつフォーキーな小品インスト集ながらも、「Track Meetings」でのエレクトロニックなサウンドなど、ココナッツ・レコーズとしての新展開を期待させる部分もあり。全22曲28分。歌物の新作も早く聴きたいぞ!
*1:そういえば、この映画での既成曲のチョイスがやたらとビートリーだったのはやはりジェイソン・シュワルツマンの意向だったのだろうか?