映画『Taking 5』(監督:アンドリュー・ウォーラー)観賞。★★★★。
クリック・ファイヴには何の思い入れもないけど、ヴォーカリストのエリック・ディレルが脱退したのは残念だった。なにしろ、その余波によって『Greetings From Imrie House』のヒットに乗じて製作されたバリバリのアイドル映画である本作までもがお蔵入りになってしまったのだから。今月に入って投げやり気味にDVDがリリースされたので、ようやく観ることができた。
クリック・ファイヴはバックストリート・ボーイズなどと近い立ち位置にいるバンド(TOKIOみたいなもんか)なわけだけど、本作はそんな彼等が、歌って踊るアイドル・グループから自分達で楽器を演奏するロック・バンドになるまでを描いた成長物語になっているのが面白い。フィクションなんだけど異様に真実味があるなあ。ただし、クリック・ファイヴは映画の核ではあっても、実際に物語を進行させているのはアロナ・タルとダニエラ・モネが演じるクリック・ファイヴ狂の女の子なので念の為(これを『ロックンロール・ハイスクール』方式と言う)。
女の子2人の友情物語とロック・バンドの追っかけ話(というかクリック・ファイヴが好きすぎて誘拐しちゃうんだけど)がきちんと相乗効果で盛り上がっていく構成はリンジー・ローハンの『彼女は夢見るドラマ・クイーン』よりも遥かに上手い(って比べる対象も対象だが)。クライマックスのライヴ・シーンの幸福感は傑作『プッシーキャッツ』に通じるものがあるぞ。近年のハリウッド産アイドル映画では出色の出来。
Taking 5 - Official Trailer
Taking 5 - KIDNAP MY HEART (Music Video)