映画『ローラーガールズ・ダイアリー』(監督:ドリュー・バリモア)観賞。★★★。
スポ根もの映画の定石に従うのならば、エレン・ペイジは人間として成長することによってローラーゲームの選手としても成長していくべきなんだが、彼女は(チーム参加当初はともかくとしても)最後まで非の打ち所のない優秀な選手であり続けるので、親子の関係を描いた人間ドラマとしての側面とローラーゲームが有機的に絡んでいかず、試合におけるエモーションがどうにも盛り上がらない。ついで書いておくと、アンドリュー・ウィルソンかドリュー・バリモアは(『プリティ・リーグ』のトム・ハンクスのように)「落ちぶれたかつての名選手」という役柄であるべきで、こうしたサブキャラ/サブプロットが弱すぎることもあって、本作はエレン・ペイジの成長物語ではあっても、弱小チームの成長物語にはなっていないのだった。故にチームメイトが単なる賑やかしの存在で終わってしまっており、ジャンル映画としての出来の悪さをセンチメントで誤魔化したという感がどうにも否めない。
ドリュー・バリモアの作風は良くも悪くもペニー・マーシャル直系。でも、『プリティ・リーグ』はこの30倍はジャンルものとしての勘所を押さえていたぞ!とは言っておきたい。ちなみに本作の原作/脚本を手がけたショーナ・クロスはクリック・ファイヴの映画『Taking 5』の脚本家でもあるんだけど、はっきり言ってジャンル映画としてもガールズムービーとしても『Taking 5』の方が遥かに面白いっすよ。とまあ色々と問題はあるにしても、『大脱走』方式のエンド・クレジットをカマされればどんな映画だって2割増しで良く思えるってなもんだぜ。
Taking 5 - Official Trailer