Exene Cervenka And The Original Sinners/Sev7en
★★
Xのエクシーンが結成したオリジナル・シナーズの2ndアルバム。単なる「オリジナル・シナーズ」名義だった前作と違って「エクシーン・セルヴェンカ&ジ・オリジナル・シナーズ」名義になっているのは、メンバー・チェンジが行われたからという理由以上に、商業的な理由の方が大きいと思われる(「ポール・マッカートニー&ウイングス」みたいなもんですな)。
オープニング曲「It Ain't Supposed To Be」で「こんな風になるはずじゃなかったのに」と2004年のアメリカ大統領選に対する失望を歌い上げる姿は、Xの名盤『More Fun In The New World』収録の「The New World」で「本当なら今頃は新しい世界が開けているはずだったのに」と当時のレーガン政権に対する失望を歌い上げたのを彷彿させて期待が高まったのだが、良かったのはそこまで。
エクシーヌは優れた作詞家ではあっても優れた作曲家ではないので、Xにおけるジョン・ドーの様な有能な作曲パートナーが必要となるんだが、このバンドでは元デッド・ジェットソンズのジェイソン・エッジって、それじゃあ明らかに力不足でしょう。昨年発売されたニッターズの再結成アルバムの記憶も新しいだけに、なおさらその思いを強くした。前作と違ってミックスに名手デヴィッド・ビアンコが関わっていないってのも大きいかも。
グリーン・デイでいえば『American Idiot』にあたる勇み足的作品。全12曲31分。