The Knitters/The Modern Sounds Of The Knitters
★★★
Xとブラスターズのメンバーによるサイド・プロジェクト、ニッターズがまさかの復活を果たし、20年振り(!)となる2ndアルバムを発表した。いや、彼等がいなければオルタナ・カントリーなんてものは存在しなかったかもしれないのだし、トリビュート盤が出てしまうほどの人気はあるわけだが、こうやって新作を出してしまうなんて誰に予想出来たであろうか。
基本的な構成は前作『Poor Little Critter On The Road』と全く同じで、オリジナル曲、Xの楽曲のリメイク、そしてトラッド・ソングのカバーから成り立っており、「パスティーシュ」という範疇を超えた本格的なカントリー/フォーク・アルバムに仕上がっている。とりあえず久々にジョン・ドーとエクシーヌのデュエットがたっぷり聴けるというだけでXのファンからすると嬉しくて堪らない。好き放題やっているだけあり、彼等の歌声も実に活き活きとしている。はっきり言ってXの再結成後唯一のアルバムである『Hey Zeus!』よりも遥かに「Xらしい」作品に仕上がっているぞ、ってジョン・ドーの新作の時にも同じ事書いた気がすんなあ。
あくまでも「サイド・プロジェクト」という事で適度に肩の力が抜けているのもいい感じ。絶対評価では★★★だが、リスナーが求めているものを完璧に提供してくれるという意味では★★★★★だろう。前作の締めは超速バージョンの「Rock Island Line」だったが、今作の締めはカントリー調にアレンジした「Born To Be Wild」だぜ!(バカ) 全13曲39分。