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2019年末にリリースが予定されているアルバム『She Is Miley Cyrus』からの先行EP第一弾(このあと『She Is Here』『She Is Everything』とEPが続いてアルバムがリリースされるとのこと)。前作『Younger Now』がカントリー回帰な内容だったのに対して、今回は再びマイク・ウィル・メイド・イットとのコラボを含む『Bangerz』路線のヒップホップ色が濃い目な内容。これはどちらの方がマイリー・サイラスらしいかという話ではなくて、もともと彼女はドリー・パートンをゴッドマザーに持つルーツに根差したカントリー畑の資質と、コンテンポラリーなポップ・シンガーとしての資質の両方を兼ね備えているのだから、どちらも彼女の一面に過ぎないのだと思う。だから『ハンナ・モンタナ』の二重生活/二重人格という設定は彼女そのものだったのであり(実際に役名も「マイリー」だったし)、本作から始まるEPシリーズはそんな彼女の多面性を見せる内容になっていくのではないかと予想。
とはいえ、「Don't Fuck With My Freedom(私の自由を邪魔するな)」と力強く宣言する(かつての「Liberty Walk」を彷彿させる)「Mother's Daughter」から始まる本作の久しぶりのハジケっぷりはやっぱり最高である。ル・ポールの参加も、前作でドリー・パートンが参加していることを考えれば筋の通った人選であるわけで(『ダンプリン』を観れば分かるように、ドリー・パートンはLGBTQコミュニティから強い支持を受けているシンガーである)、とにかく頼もしいことこの上ない。