『キャプテン・マーベル』効果もあってか、『ショート・ターム』の監督・主演コンビ(デスティン・ダニエル・クレットン&ブリー・ラーソン)の『The Glass Castle』が『ガラスの城の約束』という邦題で6月に公開されるらしい。この機会に改めて書いておくと、『ガラスの城の約束』は子供に対する虐待を「血の繋がり」を理由に許してしまう内容なので、おいらは全然好きじゃない。根本的に何が人を苦しめているのかという視座がなくて、醜悪ですらあると思う。子供の心を踏みにじる親はさっさとブチ殺せよ。ブリー・ラーソン、サラ・スヌーク(『プリデスティネーション』)、ブリジット・ランディ=ペイン(『ユニークライフ』)が姉妹(しかも母親がナオミ・ワッツ)というキャスティングは最高なのに。
デスティン・ダニエル・クレットンは『ヒップスター』も血の繋がりに囚われてウジウジし続ける話だったし、どうして『ショート・ターム』のような血の繋がりを乗り越えていく傑作を撮れたのか、今となっては不思議で仕方ない。もちろん生涯に1本しか傑作を撮れない監督は大勢いて、むしろそういった作品すら撮れない人の方が遥かに多いわけで、だからこそ『ショート・ターム』には大きな価値があるのだと思う。デスティン・ダニエル・クレットンの今後には全く期待していません。