『ガラスの城の約束』が日本でも公開されて、(予想していたとはいえ)加藤るみのゴミみたいな感想のさらに劣化コピーみたいな煮え切らない感想がツイッターで垂れ流しになっていて絶望的な気分になっている。シカゴ・サン・タイムズのリチャード・ローパーは「役者の演技が素晴らしいからといって、この両親がした仕打ちは決して許されるべきものではない。こんな恐ろしい人間を許せだって? 冗談も休み休み言え」とはっきり言っているけど、真っ当な人間だったらこれぐらいのことは書かなきゃいけないと思う。この物語の著者であるジャネット・ウォールズは両親と共依存関係にあり、最後までそこから抜け出せないというやるせない話なんだが、本人はおそらくそれに気付いていない。ブリジット・ランディ=ペイン演じる彼女の妹がカリフォルニアに移住して家族との関係を断とうとしたのはどうしてかを考えれば、受け手にはそれが見えてくると思うんだが。まあ、監督のデスティン・ダニエル・クレットンの(『ヒップスター』でも垣間見えた)「甘さ」がそれを分かりにくくしているフシはある(だから映画としては失敗作でしょう)。
とはいえ、そんな絶望的な気分も6月18日まで! なぜならその翌日には大傑作『インスタント・ファミリー 本当の家族見つけました』がリリースされるから! 擬似家族映画の最高峰! 『ショート・ターム』の魂はこちらに受け継がれています。