映画『The Glass Castle』(監督:デスティン・ダニエル・クレットン)観賞。★★★。
というわけで「あんまり幸せじゃなかった子供時代」映画として『サンドイッチの年』のような傑作になり損なっているのが『ショート・ターム』の監督・主演コンビが再タッグを組んだ本作。結局のところ本作で描かれているのは、ウンザリするほど古臭くてステレオタイプな「暴力夫とそれに耐え忍ぶ家族」の話でしかない。デスティン・ダニエル・クレットンの過去作において、血の繋がりに囚われ続ける『ヒップスター』と、血の繋がりから脱け出そうとする『ショート・ターム』、どちらが新しい景色を見せてくれたかを考えれば言うまでもなく『ショート・ターム』なわけだが、残念ながら本作は前者寄りの内容なのだった。「でも何だかんだいってもお父さんであることには変わりないし」なんていう「許し」が描かれていて個人的には超興ざめ。子供の心を踏みにじる親はさっさとブチ殺せよ。とはいえ、ブリー・ラーソンは文句なしに素晴らしくて、彼女が疾走する姿だけでうっかり感動しそうになってしまう。というかブリー・ラーソン、サラ・スヌーク(『プリデスティネーション』)、ブリジット・ランディ=ペイン(『ユニークライフ』)が姉妹(しかも母親がナオミ・ワッツ)という設定はポッキー四姉妹に匹敵する強力すぎるキャスティングだと思う。