Noise Addict/It Was Never About The Audience
★★★★
id:lyme-recordsさんがベン・リーの『The Rebirth Of Venus』のレビューを書かれていたのを読んでノイズ・アディクトの再結成盤のことを思い出したのでTwitter上でつぶやいたら、そこここで話題に上り始めているみたい(かなしいうわささんがリンク貼ってくれた! ありがとうございます!)。でも、このアルバムについては、おいらはid:chocodogさんから(9月のおいらのライヴに来場していただいた際に)教えてもらっただけなので、今回の件で1番偉いのはid:chocodogさんってことだな。
というわけで、95年末に発表した『Meet The Real You』をもって解散したノイズ・アディクトがまさかの再結成、である。現役時のノイズ・アディクトは何度かメンバー・チェンジを行っていたわけだが、今回の再結成のために集まったメンバーは、ベン・リー、エル・メイことLara Meyerratken、そしてルー・バーロウ(!)、って当時のメンバーってベン・リーしかいないじゃんかよ! しかし、それでも敢えてノイズ・アディクトを名乗るというからには、やはりそれなりの理由があるはずで、おそらくベン・リーにとってのノイズ・アディクトとは、バンドというよりはあくまでも「内なる衝動をダイレクトに伝えるフォーマット」なのだと思う。だからこそ自分の家のベッド・ルームでさっさと録音して、音源を公式サイトで無料配布しているのだろう。
このような試みをベン・リーが行う気になったのは、2008年にアイオン・スカイ(『セイ・エニシング』!)と結婚して、彼がドノヴァンの義理の息子になったことが大きいのではないかとおいらは考える。60年代のように、ポップ・ソングを再び人々の手に!というわけ。つまり、最新作の『The Rebirth Of Venus』(傑作!)で掲げていた理想の実践なのだ。サウンドも再結成前ノイズ・アディクトのヘタウマなフォーク・パンク風味と近年のベン君のポップさが絶妙な塩梅で融合していてかなり良いっすよ。全15曲33分。
あと、このアルバムで(初めてでも改めてでも)ベン・リーに興味を持った人がいたら、ぜひ最近の彼のソロ・アルバムも聴いてもらいたいな。ポップ全開でとんでもないことになっているから。
僕はポップ・ミュージックを愛してる!
だからポップ・ソングを歌うんだ
だってこれはとってもロマンチックな政治的手段
とってもスウィートな踊れる哲学
僕はポップ・ミュージックを愛してる!