★★★★
で、↑こんな風に他人のふんどしで堂々と相撲が取れるのも、現在進行形のチープ・トリックがあまりにも充実しているから。前作『Rockford』は全盛期を彷彿とさせる瑞々しいロックンロール/パワー・ポップ・ナンバーが矢継ぎ早に繰り出される傑作だったが、それから約3年振りに発表された本作でもその好調は維持。前作が『Heaven Tonight』に相当するとすれば、彼等にしてはやや凝ったサウンドが展開される本作は『Dream Police』に相当する作品といえるだろう。
実質的なオープニング・ナンバー「When The Lights Are Out」(スレイドのカヴァー!)のイントロは「Elo Kiddies」そのまんまだし、「Closer, The Ballad Of Burt And Linda」におけるバン・E・カルロスのドラミングはリンゴ・スターが乗り移ったかのようだし、トム・ピーターソンのベース・ギターのフレージングはさらに変態化していくし、とふざけているんだかサービスなんだかよく分からない本人達のノリノリっぷりが楽しすぎる。つうかティンテッド・ウィンドウズを評価するんだったら、まずはこっちをきちんと評価しろよ! 全13曲41分。
それにしても、MC・ラーズの『This Gigantic robot Kills』とレフトオーヴァーズの『Eager To Please』に続いて、ここにもライナス・オブ・ハリウッドの名が! 奴は現代のパワー・ポップ・シーンのキーパーソンだ!
↑全盛期と比較しても何ら遜色のない出来!かっちょええ!