★★★★
エドガー・ジョーンズがソロ・アーティストとしての地位を確立したからだろうか、ステアーズが93年に録音していた幻の2ndアルバムが15年の時を経て発掘された。
彼等が92年に発表した『Mexican R'n'B』は、スモール・フェイセズ/フー/ローリング・ストーンを彷彿させるゴリゴリのR&Bアルバム(本格派すぎてポップ度が低いという意味ではスモール・フェイセズ的)で、しかもモノラル録音(!)という独立独歩すぎる内容だった。
この2ndアルバムではステレオ録音だしポップな楽曲も増えてきているし、それなりに世間に合わせる気もあったのかなあ、とも思える。特筆すべきは、エドガー・ジョーンズがソロ作品で全開にするジャズ趣味の萌芽が感じられる点で、キーボードやホーンをフィーチャーした楽曲はまるでジョージィ・フェイムみたい…ってやっぱり世間に合わせる気なんてこれっぽちもなかったんじゃねえか! そういう意味でいうと、「Stop Messin'」のようなハード・ロック・ナンバーもレッド・ツェッペリンというよりはクリーム的だ。こんなことをオーシャン・カラー・シーンが南部ロックに傾倒する遥か前からやっていたんだから、エドガー・ジョーンズってほんとに鬼才だよねえ。
やはりステアーズはジェイミー・リデルの『Jim』がヒットしている今こそ改めて聴かれるべきなんじゃないかな。つうことで、まずは『Mexican R'n'B』をきちんと再発しようよ。
The Stairs - Weed Bus