みのミュージック方式を参照してザ・フーのオリジナル・アルバムを格付けしてみました。こうやって改めて考えてみると、フーって飛び抜けた名作がないような気がする。誤解しないんでもらいたいんだが、これは各アルバムのレベルが総じて高いことの裏返しでもある。『My Generation』から『The Who By Numbers』まではどれが最高傑作に挙げられていても全然不思議ではないという超充実のディスコグラフィー。ただ、一般的な意味での最高傑作とされる『Who's Next』だって『Lifehouse』プロジェクトが頓挫した末の寄せ集め作品集だし、さらに以前にも書いたようにオリジナル・アルバム未収録のシングル群に重要な楽曲が非常に多いので、本気でフーを人に勧めようと思ったらベスト盤から聴いてもらった方が実はいい気がする(例:『The Who Hits 50』)。自分内でのランキングは以下の通りです。同ランク内での並びは発表順ね。
Sランク:
『My Generation』(1965年)
『Who's Next』(1971年)
Aランク:
『Quadrophenia』(1973年)
Bランク:
『A Quick One』(1966年)
『The Who Sell Out』(1967年)
『Tommy』(1969年)
『The Who By Numbers』(1975年)
『Face Dances』(1981年)
『Who』(2019年)
Dランク:
『Who Are You』(1978年)
『Endless Wire』(2006年)
最初に言ったようにSランクからBランクまではどれもが傑作だと思います。『Quadrophenia』は今改めて聴き返すことは少ないんだけど、とにかく中学生の頃に(同作を映画化した)『さらば青春の光』と併せて聴きまくって観まくっていたので(ちょうど主演のフィル・ダニエルズがブラーの「Parklife」で歌っていたのも大きかった)。でも『My Generation』や『Who's Next』と比べると決定的な名曲に欠けると思うんだよなー。「Love, Reign o'er Me」は自分がバラード嫌いな体質ということもあって思い入れが全くないし。
しかし、自分でも言うのもどうかと思うけど、すげえ面白みのないランキング結果すねー。『Tommy』がそこまで好きではないというのがやや珍しいぐらいか。でも『It's Hard』より全然上なのは間違いないし。
ちなみに『Face Dances』はメチャクチャ好きですよ。偏愛アルバムと言ってもいい。故キース・ムーンの後釜となったケニー・ジョーンズのドラミングも全然嫌いではない。フェイセズ好きだし。彼は「ピートがいい曲をソロ活動の方に使ってしまっている」と不満を訴えていたらしいけど、そもそもこの時期のピートのソロ・アルバム『All The Best Cowboys Have Chinese Eyes』は超名作なので(アルバムを締め括る名曲「Slit Skirts」のギター・ソロはマフスの「On My Own」でのそれに匹敵するぐらいにエモい)、たとえ少し劣っていたとしても余裕で傑作なのであります。
というわけで、Bランクの中だったら『A Quick One』と『Face Dances』が自分内のトップ2すね。『Face Dances』は「You Better You Bet」〜「Don't Let Go The Coat」のオープニング2曲で喰らわなきゃウソってなもんでしょう。