『ジェニファー・ラヴ・ヒューイットのセレブリティ』(監督:ダナ・ラスティグ)観賞。★★★★★。
おお、これは若中年版『クルーレス』ではないか!
ダナ・ラスティグはさすがに『キルミー・レイター』(傑作)の監督だけあって、はみ出し者女子の心の機微を描き出すのが抜群に上手い。しかも、ジェニファー・ラヴ・ヒューイットが過去最高にチャーミングに撮られていて、彼女のコスプレ映画/アイドル映画としては100点満点の出来なのだ(あの下着ダンス! オリジナル版でのBGMは彼女自身が歌うビリー・アイドルの名曲カヴァー「Dancing With Myself」なんだが、DVDヴァージョンでは別のインスト曲に差し替わってしまっているのが残念)。大傑作『待ちきれなくて…』の中ですらこの人は表情が硬くてあまり魅力的ではなかったということを考えてみると、もうこれだけで快挙と呼ぶべきだろう。実年齢より老けて見えるのも本作に於いてはプラスに働いている。
当然ながら、切実さという意味では『キルミー・レイター』に劣るのだが、全くもたつくことなくサクサクと進んでいく気持ちよさは十分に五つ星に値するといえよう。TVムービーだから、恥ずかしい邦題だから、といって敬遠せずにぜひ観てみるべき!
ジュディ・グリア的な役どころを与えられているソニヤ・ベネットには今後要注目。