映画『In Your Eyes』(監督:ブリン・ヒル 脚本:ジョス・ウェドン)観賞。★★★★★。
『めぐり逢えたら』や『ワンダーランド駅で』などの系譜に連なる「主人公達が最後まで出会わないラヴ・ストーリー」を、「幻視」や「幻聴」といったジョス・ウェドンお得意のスーパーナチュラルな要素を絡めて仕上げたのが本作。まあ、どう考えても子供騙しの安っぽい映画なんだが、おいらは感動してしまったので★★★★★。
何だかんだで精神病院に収監されてしまうレベッカ(ゾーイ・カザン)は、決して「白馬の王子様を待つお姫様」なんかではなく、あくまでも自分の力で病院から脱出するのが素晴らしい。そう、これは「他人から言われるがままに生きてきた女性が、初めて自分の手で人生を掴み取る物語」でもあるのだ。ゾーイ・カザンは童顔だけど、寄る年波が首のシワとして表れてきているのが素敵。そのアンバランスさが「周囲に溶け込めないでいる孤独な主婦」という役柄とも非常に合っていると思う。彼女の主演作としては(アメリカ版『珈琲時光』こと)『The Exploding Girl』以来の傑作(ニュー・ポルノグラファーズのA.C.ニューマンがスコアを手掛けている『What If』も捨て難いけど)。
ちなみに本作はVimeo経由で日本語字幕版も配信されているので、観たい人はそちらからどうぞ。『ダーティ・ダンシング』(『ミーン・ストリート』と並ぶロネッツの「Be My Baby」使いの名作だよね)のジェニファー・グレイを久しぶりに観れたのも嬉しかった!