『The Girl In The Cafe』(監督:デヴィッド・イエーツ 脚本:リチャード・カーティス)観賞。★★★。脚本のリチャード・カーティスは『ラブ・アクチュアリー』でお馴染み。レイフ・ファインズの代わりにビル・ナイを主演に据えた、リチャード・カーティス版『ナイロビの蜂』とでもいうべきTVムービー。
『ナイロビの蜂』のようなサスペンスを無理に交えずに、主演の2人のロマンスを丁寧に描いている点には好感が持てるし、リチャード・カーティスの政治的な主張も基本的には非常にまっとうなものなのだが、唯一にして最大の問題は、ヒロインのケリー・マクドナルドが「たかが10分ぐらいテレビ見ただけで、人の意見をパクパク繰り返してるバカ」(C)中野貴雄にしか見えないというところにある。
だーかーらー、堅物男と奔放な女のロマンスを描く場合は、それこそ『ナイロビの蜂』でのレイチェル・ワイズのように、あくまでも女性が主導権を握っていなければいけないんだってば。それは素材がどんなに政治的になろうとも普遍的なルールであるはずなんだがなあ。そういえば、リチャード・カーティスって主人公が知恵遅れにしか見えない『ブリジット・ジョーンズの日記』の脚本家だし、全ての登場人物が幸福な結末を迎える『ラブ・アクチュアリー』でもバリバリのキャリア・ウーマンのローラ・リニーだけが例外的に報われなかったし、「女性はバカであるべき」ってな理念でも持っているんだろうか。