映画『最高の人生のはじめ方』(監督:ロブ・ライナー)観賞。★★★。
近年のロブ・ライナー作品の中ではダントツの最高傑作だった『Flipped』(別名「もうひとつの『スタンド・バイ・ミー』」)が日本に入ってきてないのに、その二番煎じである本作だけが日本に入ってきてしまっているってのは憂慮すべき事態だよなあ。『Flipped』がフィル・スペクターのプロデュース曲であるカーティス・リーの「Pretty Little Angel Eyes」で幕を開けるのに対して、本作はブライアン・ウィルソンがフィル・スペクターにオマージュを捧げたビーチ・ボーイズの「Don't Worry Baby」で幕を開けることからも分かるように、ロブ・ライナー自身が積極的に『Flipped』からの連続性を押し出しているのは確かで、実際に『Flipped』のヒロインでもあったマデリン・キャロル周辺の児童映画的要素は丁寧に描いているんだが、いちおう本作独自の要素であるモーガン・フリーマンとヴァージニア・マドセンの間の「大人のラブ・ロマンス」は役者のステレオタイプに寄りかかっているだけで非常に雑な扱いなのだった。というわけなので、誰かロブ・ライナーに心ゆくまで児童映画を撮らせてあげてください!
ちなみに本作のアマゾンのカスタマーレビューはなぜか『素敵な人生のはじめ方』と混ざってしまっております。