ベン・プラットがポール・サイモンに似ているってことはベン・プラット本人もちゃんと認識しているんだな。
■
映画『Gunpowder Milkshake』のエンディング・テーマはマーキュリー・レヴの「Goddess On A Highway」なんだが、この曲は近年だと「サム・フリークス Vol.8」で上映した傑作青春映画『少女ジュリエット』でも印象的な使われ方をされてましたな。『少女ジュリエット』は来年再び日本の劇場で観る機会を作れそうなんで楽しみにしててください。
■
『ケイト』は日本のNetflixでも配信されたけど、女性版『ジョン・ウィック』ことカレン・ギラン主演の『Gunpowder Milkshake』は日本では配信されないのかしら(ってことは劇場公開されるのか?)。『スウィート・シング』に続いて、こちらでもカレン・ダルトンの「Something On Your Mind」が素晴らしい使い方をされております。2021年はカレン・ダルトンの名作『In My Own Time』がリリース50周年ということもあって盛り上がってますね!
■
マシュー・スウィートとの『Under The Covers』シリーズに続いて、またもやリリースされたスザンナ・ホフスの新作カヴァー・アルバム『Bright Lights』。アメリカの徳永英明状態になりつつある気がしないでもない。バッドフィンガー「Name Of The Game」のカヴァーではエイミー・マンとデュエットしたりもしているんだが、個人的に嬉しかったのはモンキーズ「You Just May Be The One」のカヴァー。モンキーズだったらマイク・ネスミス派、モンキーズの最高傑作は『Headquarters』と考えているおいらにとって、『Headquarters』収録のマイクの自作曲を、あの至宝の歌声でカヴァーしてもらえるのはご褒美以外の何物でもない。マイクは後のカントリー・ロックへの貢献も素晴らしいけれど、ボイス&ハートやゴフィン&キングに対抗しようとしていた初期のポップな自作曲も味わい深いんすよね。
■
The Courettes/Back In Mono
★★★★★
デンマーク在住のモノラル偏執狂夫婦ことコーレッツの3rdアルバム。これまでのアルバムがモノラル・サウンドの凶暴性を強調したガレージ・ロック作品だったのに対して、本作ではロネッツのアルバムをパロったジャケットで暗示しているように、往年のガールズ・グループのポップネスを取り込みまくり。制作にあたってはモータウンやアトランティック・レコーズを支えた60年代のソングライター達の作曲術をかなり研究したらしい。
ちなみに、本作のミックスは佐藤清喜氏が担当しているんだが、これは彼女達が(おそらくこのリストがきっかけで)SOLEILの「Twinkle Heart」を知って、そこから佐藤氏にコンタクトを取って実現したとのこと。恐るべきモノラル愛同盟。全14曲36分の怒涛のウォール・オブ・サウンド。傑作。
■
『アワ・レディーズ』ではエンディング・テーマとしてビッグ・カントリーの名曲「In A Big Country」のエディ・リーダーによる新録カヴァーが使われているんだが、ビッグ・カントリーが使われているスコットランドのご当地映画といえば、何といっても『おかしなバスジャック』。スコットランドはマジで景気悪すぎて盗みでもするしかねえよ!という、ビル・フォーサイスの『ザット・シンキング・フィーリング』の影響下にある犯罪コメディだ。監督のマイケル・ホフマンはアメリカ人で、この後は本国に戻って『プロミスト・ランド/青春の絆』や『ソープディッシュ』などを手掛けることになるが、まあこれが最高傑作でしょうな。