imdkm氏がofficial髭男dismの記事でピーナッツくんに言及している! 自分も今更ながらにピーナッツくんのアルバムをよく聴いているのでこれは嬉しい。2020年のヒップホップ・アルバムとしてもかなり上位にくる作品ですよね(ぽんぽこちゃんねるはもちろん最高。ぽんぽこもピーナッツくんも映画好きなのが素敵な兄妹)。
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5月に開催されるドイツ映画祭 HORIZONTE 2021で『Systemsprenger』が『システム・クラッシャー 家に帰りたい』という邦題で上映されるんすね。主演のヘレナ・ツェンゲルはポール・グリーングラスの新作『この茫漠たる荒野で』でトム・ハンクスの相手役に抜擢されてたけど、ほとんど『システム・クラッシャー』と同じような役柄だった(英語大丈夫なのか?と思ったが、ドイツ人という設定だったのでそこも問題なし)。
『システム・クラッシャー』はニーナ・シモンの「Ain't Got No, I Got Life」が大フィーチャーされているので、ニーナ・シモン好きで児童映画に興味がある方は是非。
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For Tracy Hydeの新曲「Sister Carrie」はナードマグネットのカヴァー・ヴァージョンを踏まえた上でブラック・キッズの「I'm Not Gonna Teach Your Boyfriend How To Dance With You」を下敷きにしている説を唱えたい。まあ、ニュー・ウェーヴっぽいサウンドで「Smells Like Teen Sprit」のドラムのフィルを引用しているからそう感じるだけなのかもしれないが。
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『ペニーズ・フロム・ヘブン』の字幕を作っている関係で昔のミュージカル映画を観直していて思ったのは、やはり(扱われ方として)タップダンスは「芸」でバレエは「芸術」なのだな、ということ。
ジーン・ケリーなんかは商業的な要請からタップダンスをやらされるわけだけど、本人としてはバレエをやりたくて仕方がない芸術志向の人なんだよな。『舞踏への招待』を観ればそれは明らかだが、『雨に唄えば』でも『巴里のアメリカ人』でも、それまでは楽しいミュージカル映画だったのにクライマックスでは自身のエゴを爆発させてバレエをやってしまう、というのが彼の個性でありシャラくさい部分でもあると思う。というわけでジャック・ドゥミの『ロシュフォールの恋人たち』では芸術の国フランスにゲストとして招かれた上にバレエまでやらせてもらって大満足、というのが彼の表情からも読み取れる。
逆にフレッド・アステアの場合は、バレエ・ダンサーを演じた『踊らん哉』を観ると「自分はタップダンサーなんだから、バレエは“なんちゃってバレエ”でいいんだよ」という割り切りがはっきりと感じられる徹底した「芸人」だったことがよく分かる。
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「サム・フリークス Vol.13」で上映する『ペニーズ・フロム・ヘブン』の日本語字幕を作ってて思ったけど、元々がBBCのドラマ・シリーズなだけあって、このシニカルさは凄く英国っぽいすよね。モンティ・パイソンの『ライフ・オブ・ブライアン』なんかと同じ類のミュージカルだもの。絶対にそういう視点で観た方がいいっすよ。
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「サム・フリークス Vol.12」で上映する『ミス・ファイヤークラッカー』を手掛けたトーマス・シュラムの代表作はラーズの「There She Goes」映画として有名な『ハネムーンは命がけ』であり、「サム・フリークス Vol.12」の併映作である『ジョージア』ではXのジョン・ドー達がヴェルヴェット・アンダーグラウンドの「There She Goes Again」をライヴ演奏するわけで、「サム・フリークス Vol.12」は2作品のストーリーも踏まえて「There She Goes」映画祭と見立てることもできますね。
あと、ラーズの「There She Goes」が好きな方はGO!GO!7188によるスピッツ「スパイダー」のカヴァーを聴いてみてください。絶対笑うから。