特集上映:サム・フリークス Vol.21
特集上映イベント「サム・フリークス」の第21回! 今回の1本目はロックンロール黎明期のスターであるバディ・ホリーのキャリアを描いた音楽伝記映画『バディ・ホリー・ストーリー』を、2本目はルーカス・ムーディソンが手掛けたスウェディッシュ・パンク映画『ウィ・アー・ザ・ベスト!』を上映いたします。
どちらもこれを逃すとなかなか劇場では観ることができないであろう貴重な作品で、特に『バディ・ホリー・ストーリー』は日本初上映ですので、この機会にぜひー。今回も有料入場者1名につき250円が虐待を受けたり貧困下にある子供達への学習支援&自立支援として役立てられます!
4月9日(日)には同会場でこのイベントの第22弾が、6月3日(土)にはこのイベントの第23弾が開催されます! こちらもぜひ!
Apple Musicにおいてサム・フリークスの場内BGMのプレイリストを作成しましたので、ぜひご利用ください(最新のものに随時更新していきます)。毎回上映作品と絡めた選曲をしています。
概要:
1)日時:2023年2月4日(土)
2)会場:ユーロライブ(渋谷)
タイムテーブル
12:50~ 当日券販売開始
13:00~ 開場
13:15~『バディ・ホリー・ストーリー』上映(日本初上映)
15:10~ 休憩
15:25~『ウィ・アー・ザ・ベスト!』上映(17:07上映終了予定)
3)当日券料金:2本立て1500円(入れ替えなし・整理番号制)
※当日券は当日の12時50分より会場受付にて販売いたします。
※前売り券は特別価格1374(悲惨な死)円でPeatixにて販売中です。
本イベントはすべての子供達が社会から孤立することなく暮らしていけるようになることを目的とした学習支援や自立支援の為に、有料入場者1名につき250円を「認定NPO法人 3keys」へ寄付いたします。後日、当ブログにおいて寄付の実施をご報告いたします。
お金に困っている方は、ご相談いただければ当イベントに無料でご招待いたしますのでお気軽にご連絡ください。
また、未成年の方は当日会場にて500円返金します!性善説の自己申告制で、身分証チェックとかイチイチしないので、「無料にしてもらうのは気まずいけど、1374円払うのはキツい…」という方はこちらの制度をご利用していただければと思います。
お腹が空いている方は、事前にご連絡いただければ入場時におにぎりを差し上げます。食べられないおにぎりの具がある場合は、それも併記していただけると助かります。
こちらは当イベントの主催者に向けた救援物資を掲載したAmazonのほしい物リストになりますので、お金に余裕のある方はサポートしていただきたく思います。何卒よろしくお願い致します。
※前売り券について※
開場は13時00分です。整理券等への引き換えの必要はございませんので、劇場への入場時にPeatixのチケット画面、もしくは予め印刷したものを係員にご提示お願いします。入場順序に関しては、前売り券→当日券の整理番号順となります。場内は全席自由席となっております。入金後のキャンセルは承りかねますのでご了承ください。
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「サム・フリークス Vol.21」でロックンロールの歴史を追う!
『バディ・ホリー・ストーリー』はビートルズにも多大な影響を与えたロックンローラーであるバディ・ホリーのキャリアを描いた伝記映画で、ドン・マクリーンの「American Pie」で「音楽が死んだ日」と歌われた日までの物語である。出演者が吹き替えなしで実際に演奏しているライヴ・シーンは臨場感満点。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の元ネタになったと思わしきシーンもある。監督のスティーヴ・ラッシュは後に『小悪魔はなぜモテる?!』の元ネタになった『キャント・バイ・ミー・ラブ』を撮るが、これはバディ・ホリー~ビートルズというロック史の変遷を踏まえた上での連想だろう(『キャント・バイ・ミー・ラブ』はほとんど無理矢理にビートルズを使っている映画なので)。ちなみに、ポール・マッカートニーは本作に対する回答として後にドキュメンタリー映画『The Real Buddy Holly Story』を製作していることも特筆しておく。
『ウィ・アー・ザ・ベスト!』は1982年のスウェーデンを舞台に、中学生の女の子3人がパンク・バンドを組む話。ルーカス・ムーディソンお得意のポップ・ソング使いまくりの内容で、しかも作品自体にパンク的な自由さ、パンク的なエネルギーが溢れているのが素晴らしい。クライマックスの演奏会でカタルシスのある大団円を迎える、というような構築美を敢えてブチ壊す展開! あれこそがパンクというものだろう。ちなみに、劇中で大フィーチャーされているKSMBはルーカス・ムーディソンにとって非常に思い入れの強いバンド。KSMBと同様に大フィーチャーされているエバ・グロンはスウェーデンで最も成功したパンク・バンドであり、ルーカス・ムーディソンや原作者のココ・ムーディソンのように1970年前後に生まれたスウェーデン人にとってはアバなんかよりも遥かに大きな存在であったとの由。1982年頃はスウェーデンの音楽シーンにおける激動の時期で、KSMBとエバ・グロンの両バンドが相次いで解散。それはまさに「Punk Is Dead」を象徴するような出来事であったというわけだ。それを踏まえると、クライマックスでクラーラが放つ「“パンクは死んだ”なんて言われてるけど、あんなのタワ言だからね」という台詞がより切実な意味を持って響いてくる。他者(KSMBやエバ・グロン)に依存するのではなく、自分自身の足で立って世界に立ち向かうということ。それがすなわちロックであり、パンクってことなのだ。ローリングストーン誌選出による「史上最高のパンク・ムービー25選」で非英語圏の作品としては唯一ランクインし、リンダ・リンダズもお気に入りに挙げているパンク映画の大傑作だ。
岡俊彦(東京都品川区南品川3-5-2-503在住)
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『バディ・ホリー・ストーリー(原題:The Buddy Holly Story)』(1978年、監督:スティーヴ・ラッシュ)
Blu-ray上映(日本語字幕付き)
1979年 アカデミー賞 音楽(編曲・歌曲)賞受賞、主演男優賞&音響賞ノミネート
出演: ゲイリー・ビジー、チャールズ・マーティン・スミス、ドン・ストラウド
『ウィ・アー・ザ・ベスト!(原題:Vi är bäst!)』(2013年、監督:ルーカス・ムーディソン)
Blu-ray上映(日本語字幕付き)
2013年 東京国際映画祭 サクラ グランプリ受賞
出演: ミーラ・バルクハンマル、ミーラ・グロシーン、リーヴ・ルモイン
主催:岡俊彦
お問い合わせ先:岡俊彦(電話:080-4065-3412 メール:hardway@ba.mbn.or.jp)