ジョン・セイルズの『ベイビー・イッツ・ユー』を久しぶりに再見したら、自分が思っていた以上に(『カセットテープ・ダイアリーズ』に準ずるぐらいの)ブルース・スプリングスティーン映画だったので驚いてしまった。当時のジョン・セイルズはスプリングスティーンの『Born In The U.S.A』のタイトル曲を含む一連のシングルカットされた楽曲のPVを撮っていたので、その繋がりということなのだろう。彼等の交流はこの後も続いていて、スプリングスティーンはジョン・セイルズの『最果ての地』に主題歌を提供しているのだった。つまり「スプリングスティーンって右寄りの翼賛的な人でしょ」みたいな先入観を持っている人って、要するに音楽だけじゃなくて映画にも見識がなくて、貧しい偏見のみで生きている人間ってだけなんだよな。ブルース・スプリングスティーンもジョン・セイルズもバリバリに民主党支持の左の人だっつーの。いや、そんな偏見を持ってる人なんてもはや絶滅危惧種だと思ってたんだけど、『カセットテープ・ダイアリーズ』の感想とかを見るとまだ意外といたんすよね。
ちなみに『ベイビー・イッツ・ユー』は「高校時代に恋人同士だった2人が疎遠になっていく物語」なので、おそらく『サム・フリークス』にも影響を与えているはず(後半の展開がかなり似ている)。