映画『チャッピー』でよく出来ているなあと思ったのは、チャッピーは彼の創造者であるデーヴ・パテールに対しては「アンタなんか嫌いだ!」と言うんだけど、酷いことをたくさんしているニンジャに対しては「どうして嘘をつく!?」と責めることはあっても「I hate you!」とは決して言わないんすよね。というのは、ニンジャの行動は彼等がこの世界で生き延びていくためにやっているということがチャッピーにも伝わっているから(そのことは犬のシーンでもきちんと説明されているわけで。チャッピーが生まれた次の日に外に働きに出ているのはニンジャだけだということにも注目)。
あと、冒頭の「金は1週間で返すから」「1週間じゃねえ! 7日だ!」ってやり取りとか、「ロボットならスイッチがどこかにあるはずだよね? そのスイッチを切るリモコンを奪おうよ!」って台詞で主要登場人物が頭の良くない人達であることは描かれているし、実は映画自体の作りはしっかりしていると思う。
USBメモリに人間の意識が入るのかという問題については、人間より遥かに高機能なチャッピーのAIがあんなに小さなポータブル・ハードディスクに収まってしまっていることを考えると、デーヴ・パテールは「頭脳」に必要なデータを究極的に小さく圧縮する技術を開発したってことでしょ。かなり強引だけど、少なくとも映画内での整合性は取れていると思う。