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マクフライとバステッドのメンバーで結成されたスーパー・グループのデビュー・アルバム。要するにスペシャルズとビートのメンバーで結成されたスペシャル・ビートのアイドル・バンド版のようなものだ。彼等自身もそのことを意識したのか、アルバム・ジャケットはマッドネスへのオマージュ! そこを踏まえてわざわざマッドネスのそれとは同名異曲の「Riding On My Bike」なんてナンバーを用意してくる目配せも嬉しい(時系列としては曲→ジャケットの順だろうけどね)。また、本作にはブリンク182のマーク・ホッパス、ウィーザーのリヴァース・クオモ、オール・タイム・ロウのアレックス・ガスカースがソングライターとして参加。さらにはウィータスのブレンダン・ブラウンとのコラボレーション・ナンバーまでもが準備されていたものの、こちらは惜しくも未収録になってしまった模様(「Riding On My Bike」にブレンダンがソングライターとして参加しているという情報は誤報だったようだ)。バステッドはもともとウィータスの遺伝子を継承したバンドで、このことがワン・ダイレクションが「Teenage Dirtbag」をカヴァーすることにまで繋がっているわけだが、そんなウィータスのブレンダンが本作に参加することの意義はポップ・ミュージック史的に見ても非常に大きかっただけに残念だなー(ちなみにブレンダンはバステッドのジェイムス・ボーンが結成したサン・オブ・ドークのアルバムにソングライターとして参加していることを付け加えておく)。とはいえ、そういった裏事情までひっくるめて、このアルバムはマクフライとバステッドのメンバーが、自分たちが心から愛する音楽を、自分達が心から敬愛する人達と一緒に作り上げていった喜びがひしひしと伝わってくる至福の作品だ。これは間違いなく2014年を代表するパワーポップ・アルバム!
↑デビュー曲に「Baba O'Riley」のギター・リフを使ってくるのも分かってらっしゃる!