Mister Jones/Hail Mary
★★★
ウィータスの新作『Too Soon Monsoon』の発売を記念して、ブレンダン・ブラウンがウィータス結成以前にギタリストとして参加していた8人組ミクスチャー・バンドの唯一のアルバム(1998年発表)を紹介。
ウィータスのファンにとって何よりも重要なのは、ブレンダン・ブラウンとウィータスの初代べーシストであるリッチ・レイジーが在籍しているという事と、ブレンダン・ブラウンが(共作扱いではあるものの)6曲の作曲に関わっているという事だろう。ブレンダン・ブラウン自身は「ウィータスとミスター・ジョーンズの音楽には何の関連性もない」なんて言ってるけど、いやいや、メロディやリズムの手癖は今とほとんど変わってないぞ。「Kristine」とか「Right Hand Man」なんかはまんまウィータスだもんで泣けてくるぜ。
アルバム・タイトルが2パックの同名曲から取られている事からも分かるように、かなりヒップホップ度は高め。あまりにもあからさま過ぎる所が下品というかテイストレスな感じがしてブレンダン・ブラウンは気に入っていないのだと思われるが、この白黒混合バンドでの経験がウィータスにおけるヒップホップの絶妙な消化に結びついているのは明らかだ。
別にブレンダン・ブラウンの歌が聴けるわけではないので、過度にウィータス的なものを期待するガッカリするだろうが、シュガー・レイなんかが好きな人ならば気に入るはず。ステッペンウルフの「Magic Carpet Ride」のリフを使った「Uncle Bill's Ride」なんてかなりカッチョいいぞ。まあ、アルバムの内容以上に、ブレンダン・ブラウンの今よりさらにイジメられっ子キャラな写真↓が強烈なんだけどな。全14曲34分。