映画『The Fitzgerald Family Christmas』(監督:エドワード・バーンズ)観賞。★★★。
エドワード・バーンズの最新作は1996年の『彼女は最高』以来となる、ニューヨークを舞台にしたアイリッシュ家族もの。もちろん、『彼女は最高』以降の作品でもそういった要素は根底で息づいてはいたんだが、ここまでそれを前面に押し出した作品を再び撮ろうと思ったのは、タイラー・ペリーから「どうしてアイリッシュ家族ものを撮らなくなったんだい?」と質問されたことがきっかけらしい。やはり恐るべし、タイラー・ペリー。
バーンズ組総出演*1という豪華なキャストにもかかわらず、相変わらず実直すぎるほど実直な人間ドラマ。m@stervision氏がバーンズの『ノー・ルッキング・バック』を評して12年前に言った言葉、「とても普通の映画である。奇抜な設定も派手な道具だてもない。銃撃シーンもセックス・シーンもない。凝った撮影も目のまわる編集もないし流行りの音楽もかからない。ここにあるのは市井の人々の普通の暮らし。再会。別れ。旅だち。普遍的な愛情や悲しみの感情。それは今のアメリカ映画においてとても貴重な普通さだ」が本作にもそのまま当てはまる。このブレなさってのは本当に凄いことだと思う。
↑『彼女は最高』は全編でトム・ペティの曲が流れまくりなのも最高!サントラも素晴らしいっす。
*1:エドワード・バーンズとマイク・マッグローンが再び兄弟役を演じるってだけで、バーンズ映画のファンとしては大感激ですよ。あとはジョン・マホーニーとデヴィッド・クラムホルツが出演していれば完璧だった。