映画『ホリデイ』(監督・脚本:ナンシー・マイヤーズ)観賞。★★★★。
相変わらず抜群に上手いことは確かなんだが、チャールズ・シャイアと離婚してからの、つまり『ハート・オブ・ウーマン』以降のナンシー・マイヤーズ映画は、大人の作家になろうという背伸びが窮屈に感じられる。本作でもセックス絡みの話はどうにも取って付けたような印象なのに対して、子供が登場すると途端に映画全体がイキイキと輝き始めるのだから、やはり『ファミリー・ゲーム』(大傑作)のようなファミリー映画にもう一度回帰するべきだと思う。本作のエンディングが醸し出す幸福感は完全にファミリー映画のそれなんだしさ。まあ、そんな『ファミリー・ゲーム』好きのおいらみたいな人間に対する嬉しいサプライズもあったりするので、なんだかんだ言っても結構楽しめた。
あと、劇中におけるハリウッド・クラシックに対するオマージュは誰でも分かるだろうからいいとして、あまり指摘されていないことを一つ書いておく。エドワード・バーンズがキャメロン・ディアスの(元)彼氏役で登場するのは、当然『彼女は最高』(傑作)に対するオマージュ。ナンシー・マイヤーズってエドワード・バーンズをきちんと映画監督としてリスペクトしているんだねえ。素晴らしい。
ちなみに、昨年のおいらのベスト1映画である『小さな恋のものがたり』は、最近のナンシー・マイヤーズ以上にナンシー・マイヤーズ(&チャールズ・シャイア)的なファミリー映画の傑作なので、機会があればぜひぜひ観てみるよろし。今なら廉価版DVDが995円で買えるし。