映画『恋するベーカリー』(監督:ナンシー・マイヤーズ)観賞。★★★★★。
「10年前に離婚した元夫婦がヨリを戻す話」という基本プロットからも分かるように、つまりこれはナンシー・マイヤーズ&チャールズ・シャイアー夫妻の最後の共作となった『ファミリー・ゲーム/双子の天使』の変奏曲である。しかもナンシー・マイヤーズはメリル・ストリープと同じく1949年生まれであり、彼女自身が約10年前に離婚しているわけで、もしかしたらかなり自伝的要素の強い作品なのかもしれない(ってことはチャールズ・シャイアーと再びいい関係になってるのか!?)。
しかし、これは『ファミリー・ゲーム』と違ってディズニー映画ではないので、まさに『It's Complicated』(原題)な問題が元夫婦の間にはつきまとうこととなり、分かりやすい“お伽話”として完結することは不可能な展開に。自分にとって身近な話だからこそ、嘘はつけないということなのだろう。
というわけで、エンディングに向かって色々と歯切れの悪い部分が出てくるのは事実なんだが、「それでも、ハッピーエンドだけは信じていたい」というナンシー・マイヤーズの優しさを最後にはきちんと感じることができるので、おいらは全面的に支持したいと思う。それにしても最近のアレック・ボールドウィンの熊さんっぷりはチャーミングすぎてヤバいな。