映画『Summer Days, Summer Nights』(監督:エドワード・バーンズ)観賞。★★★★★。
アメリカのブライト・サイドを描いた青春映画の快作! エドワード・バーンズのデビュー作である『マクマレン兄弟』のようにアイルランド系の一家を中心に据えながら、『サイドウォーク・オブ・ニューヨーク』のような群像劇が1982年のロングアイランドの夏を舞台に展開される。役者としてのエドワード・バーンズは一歩引いており、『Nice Guy Johnny』のように若手役者達にバトンを託そうとした形だ。彼が手掛けているTVシリーズ『Bridge And Tunnel』とキャストもストーリーも似通っているので、姉妹編のような趣きもあると思われる。
それほど予算に余裕があるとは思えないのに、今作では久しぶりエドワード・バーンズの選曲に気合いが入っていて、単なる80年代ヒット・メドレーには陥らない気の利いたポップ・ソング使いの妙に悶絶しまくり。ゴーゴーズの「We Got The Beat」などをフィーチャーしつつ、70年代後半の曲が多いというところに当時を実体験していたエドワード・バーンズの「リアル」が反映されている気がする。個人的にはプリテンダーズの「Brass In Pocket」を大フィーチャーして恋の芽生えを描くシーンにヤラれた。また、ある登場人物が歌う自作曲がモロにブルース・スプリングスティーンなハートランド・ロックで微笑ましくなってしまった。ブルース・スプリングスティーンからの影響をかつて『ノー・ルッキング・バック』という1本の映画にまとめたエドワード・バーンズ、再びの面目躍如である。