ジェニー・ルイスの来日公演@原宿アストロホール(素晴らしかった!)で思ったことをつらつらと。
・バンド・アンサンブルのザ・バンド度が濃厚なことにまず驚いた。
・それはすなわちいなたさと鋭いリズムを併せ持っているということ。
・で、ようやく分かったんだが、『Acid Tongue』って要するにザ・バンドをやろうとしていたんだな。
・そこを踏まえれば、『Acid Tongue』のハイライトである「The Next Messiah」でビートルズの「For You Blue」をパクっていたことの意味も見えてくる。
・「For You Blue」の収録アルバムである『Let It Be』って、ザ・バンドの登場に危機感を覚えたビートルズが、それに応えて(≒ザ・バンド的なものを目指して)南部ロックに接近した作品なわけで。
・で、ジェニー・ルイスもそういうビートリーなアプローチになっているのが2008〜2009年の気分だな、と。
・『Rabbit Fur Coat』でもやっていたトラヴェリング・ウィルベリーズ「Handle With Care」のカヴァーが、今回はゲストなしだというのに、ロイ・オービソンのパート(「I'm so tired of being lonley〜♪」の部分)を彼氏のジョナサン・ライスに歌わせてたのは勿体ないなあ(いちおうジェニーもハーモニーを付けてたけど)。あの歌の意味は、あそこの部分を朗々と歌い上げることにこそあるとおいらは思っているので。