というわけで日本のパワー・ポップ・ファン、総勢5万人が集結したシューズの来日公演に行ってきましたよ。
彼等については音源だとギター・ポップ寄りのパワー・ポップという(悪く言っちゃうとひ弱な)印象を受けていたんだが、あれは80年代的なサウンド・プロダクションによる影響が大きかったのだな。ライヴだと超いなたくて超ビートリーで超ロックンロールなのな。メロディ・ライン自体は起伏に富んでいながらも2コード/3コードでゴリゴリと押していくようなセクションが多くて、ああやっぱり彼等はどこまでもロックンロール・バンドなんだな、と。フロント・メンバーの3人がそれぞれメイン・ヴォーカルを取るし、楽曲のエンディングの作り方がどこまでも初期ビートルズなそれだったりしたもんで、もうおいらのビートリーなツボが刺激されまくってどうしようかと思ったよ。しかもアンコールではヴェルヴェット・クラッシュのポール・チャスティンがスペシャル・ゲストとして登場! パワー・ポップ・ファンにとっては至福の1時間半だったのではないだろうか。おいらもたっぷり堪能させていただきました。ライヴは明日(4月5日)も新宿JAMで行われるので、もしこれを読んでるあなたが少しでもパワー・ポップ/ギター・ポップに興味があるんだったら行っておいた方がいいよ。絶対に損はしないから。
(80年代当時は)メンバーが(ミュージック・ライフ的な意味合いにおいて)美男子揃いだったこともあって、こういう系のバンドにしては女性客が多めだったのも印象的(来場記念としてチープ・トリック「If You Want My Love」のカヴァー・シングルが配られたのは象徴的ですな)。観客としてスーパースナッズのTOMOKOさんや、パワー・ポップ/ギター・ポップ・ファンにはお馴染みのid:groovyplaceさんらしき方が来場しているのをお見かけしたりもした。
そういえばライヴ終了後にメンバーのジョン・マーフィーにサインを貰いに行ったら、「いやー、ここ(新宿JAM)ってもういかにも典型的なロックンロールなライヴ・ハウスって感じで素晴らしいね。アメリカからネットでチェックした時はバーの写真とかしかなかったから全貌が分からなくてさあ。こういう所でライヴできて本当に良かったよ。アメリカだとヒップホップとかダンス・ミュージック系のクラブに押されて、こういうライヴ・ハウスがどんどん少なくなってるんだよねえ」とかパワー・ポップ・バンドを取り巻く厳しい現実について熱く語られてしまったよ。