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マフスのキムも絶賛!なジ・88のメジャー移籍第1弾アルバム。
モロにホリーズ『Butterfly』なジャケットと、『Not Only... But Also』というタイトルだけで個人的には5つ星だ。『Not Only... But Also』とは、英国BBCテレビジョンで1965年から1970年にかけて放送されていたピーター・クック&ダドリー・ムーア主演の伝説的なコメディ・シリーズで、ジョン・レノンがお馴染みの丸眼鏡姿を(映画『ヘルプ! 4人はアイドル』の変装シーン以外で)初めて披露したのがこの番組なのである…ってアメリカのバンドなのにどんだけ英国好きなんだよ!>ジ・88。
メジャー・デビューということで、メイン・プロデューサーにマット・ウォレスを迎え、さらには2曲をベイビーフェイスがプロデュースするという気合いの入った作り。ベイビーフェイスというと世間ではR&Bなイメージが強いんだろうけど、実は映画『プッシーキャッツ』のサウンドトラック(パワー・ポップ史に残る大傑作)のプロデューサーでもあるわけで、ロック・サウンドもお手の物なのだった。というわけでジ・88の過去のアルバムに比べると本作はパワー・ポップ度が2割増し。そのせいもあってか、以前よりもさらにアリスタ時代のキンクスに近づいてきたような気がする(「Go Go Go」などではフー的な味わいもあり)。
おいらはRCA時代よりも(もしかしたらパイ時代よりも)アリスタ時代のキンクスが好きなので、この路線は大歓迎。『Give The People What They Want』に匹敵する傑作、と断言したいね。全11曲43分。
The 88 - Go Go Go
John Lennon in "Not Only But Also", 1966