Redd Kross/Got LIVE If You Must!
★★★★★
スペインで先行発売されたレッド・クロスの最新ライヴDVD+CD。公式サイトでも「NEW LIVE DVD」と謳っているし、CDは最近の音楽業界の通例に従ってライヴ音源が収録されているものと思うでしょ? ところが違うんだな。なんと収録されているのはバンドの全キャリアを包括したグレイテスト・ヒッツ! 代表曲はもちろんのこと、アバ「Dancing Queen」の名カヴァーや、アルバム未収録の名曲「Switchblade Sister」など、かゆいところに手が届きまくる選曲が嬉しすぎる。もうこれだけでスペインから取り寄せる価値は大ありだと思う。無駄にハード・ロックっぽかったりパンクっぽかったして、意味なく過剰で頭の悪そうなところがジェリーフィッシュなんかよりも全然良いと思うんだけどなあ(逆にジェリーフィッシュはその過剰さに「意味」がありすぎて鬱陶しい)。全22曲61分。
メインディッシュのライヴDVDも最高。ジェフとスティーヴのマクドナルド兄弟は相変わらずミュージック・ライフ誌に載ってそうなアイドル性を持っているし、スキンヘッドになったロバート・ヘッカーは白血病患者みたいなルックスだし、そして何よりも『Neurotica』以来の復帰を果たしたロイ・マクドナルドのドラミングが素晴らしすぎるんだわ。これは誇張でもなんでもなくて、この人は現在存命中のロック・ドラマーでは文句無しにナンバー1だと思う。キース・ムーンの霊が乗り移ったかのようなパワフルすぎるドラミング(スティックの放り投げ技も完コピ!)を見ていると、再結成ザ・フーのドラマーの座にはザック・スターキーではなくロイこそが就くべきだったと改めて思わされるのだった。彼等は結成30年目(まあ、マクドナルド兄弟が12歳とかの頃からやってるバンドだから)にして、ようやく理想的な体制になったといえるのではないだろうか。このライヴで披露されている新曲「You Better Stay Away From Downtown」から予測するに、今年中に発表されるであろうニュー・アルバムは彼等の最高傑作になるはず。必聴&必見。
ちなみに本作のタイトルとジャケ写は言うまでもなくローリング・ストーンズ『Got LIVE If You Want It!』のパロディですな。
Trailer Dvd Redd Kross