映画『サーフズ・アップ』(監督:アッシュ・ブラノン&クリス・バック)観賞。★★★★★。
字幕版がスカラ座でしか上映してないってどういうことだよ! せっかくズーイー・デシャネルの声を聞くために前売チケットを買ったっていうのに(おいらは「その筋のファン」なので)。というわけで、わざわざ日比谷にまで行ってきましたよ。
でも、字幕版で観て正解だった。というのは、ズーイー・デシャネルにシャイア・ラブーフに(『ナポレオン・ダイナマイト』こと)ジョン・ヘダーという声優陣からも明らかなように、この映画、本質的には普段の彼等が出演しているようなひねくれインディー・コメディなのだから。まあ、そんな代物をファミリー向けアニメと偽って公開しているソニー・ピクチャーズ・アニメーションは気が狂っているとしか思えんが。
その狂いっぷりは劇中の音楽にまで伝染していて、なんとクイアーズの「Wipe Out」(サーファリーズのカヴァー)が本編内で大フィーチャーされるというメジャー映画にあるまじき異常事態まで発生しているのだった。だって、この曲ってクイアーズと(イタリアのラモーンズこと)マンジズのスプリット・アルバム『Acid Beaters』にしか収録されていないんだぜ。このことから推測するに、本作の製作者達は完全な確信犯。凄すぎる。プログラム・ピクチャーの懐の深さを実感したよ。クリストファー・ゲストの映画を愛する方にお勧めしたい。