The Long Blondes/Someone To Drive You Home
★★★
モロに『俺たちに明日はない』なジャケットからして、いかにもCUT誌の読者とかが喜びそう。でも、おいらはアメリカン・ニューシネマも『俺たちに明日はない』も好きじゃないしなあ。そりゃあ小学生の時に初めてあのエンディングを観た時は驚いたけど、今から考えてみると、「『俺たちに明日はない』(1967)や『明日に向って撃て!』(1969)などの主人公たちは、細かいことにこだわりさえしなければ十分に「明日」があったはずなんだが、なぜか明日がないことがクールだったんですな、あのころは。」という感じでしかないし。
バンド名のせいか(当初の日本語表記は「ロングブロンディーズ」だったし)、何故かブロンディと比較したレビューがあったりするけど、そのひきつったようなグルーヴとギター・サウンドは、どちらかといえばスリッツなどのニュー・ウェイヴ・バンドからの影響が強いように思われる。まあ、おいらはスリッツよりもレインコーツの方が好きな人間なので、ロング・ブロンズのアート志向なエキセントリックさは肌に合わないのであった。だったらばレディー・ソヴァリンのユーモア・センスと人懐っこさの方をおいらは買うね。全12曲44分。
追記:さきほど気付いたんだが、「Long Blondes Someone To Drive You Home 俺たちに明日はない」でググってみても、誰もこのジャケットについて言及してる人がいないのな。もしかして『俺たちに明日はない』を知らないのか? ボニーとクライドを知らないのか? インディー・ロック・ファンってこれだから駄目なのよねえ(<偏見)。