Gin Blossoms/Major Lodge Victory
★★★★★
映画『エンパイア・レコード』の主題歌「Till I Hear It From You」で映画ファンも音楽ファンも泣かせたジン・ブロッサムズの再結成アルバム。
彼等の前作『Congratulations...I'm Sorry』は、95年から96年にかけて同時多発的に発表されたギター・ロックの傑作の一つなので、ティーンエイジ・ファンクラブの『Grand Prix』やファウンテインズ・オブ・ウェインの『Fountains Of Wayne』などと並んで記憶しているギター・ポップ・ファンも多いはずだ。
あれから10年が経過し、ティーンエイジ・ファンクラブもファウンテインズ・オブ・ウェインも駄目になってしまった今、当時の一連のバンドで現在も変わらずに良心的なギター・ロックを奏でられるのは、もはやジン・ブロッサムズ以外にいないとここに断言する! いや、マジでそれだけの事を言いたくなってしまうほどの傑作なのよ。もうこれぐらいの年齢になると、冒頭曲を聴いただけでそのアルバムの出来がある程度は分かるようになってくるもんだけど、このアルバムは最初の5秒で傑作と分かったもん。
『Congratulations...I'm Sorry』も手掛けた盟友ジョン・ハンプトンをプロデューサーに迎え、全盛期に匹敵する、いや、全盛期を凌駕する瑞々しいサウンドを披露。解散〜再結成を経ただけあって、音のひとつひとつがルーティン・ワークにならずにいちいち必然性に満ちているし、楽曲の練り込まれ方もさすが20年選手というもの。とりあえず「Till I Hear It From You」を超える名曲「Curious Thing」に震えろ! 全12曲49分。
追記。このアルバムを聴きながらメンバーのロビン・ウィルソンの最新インタビュー(日本語)を読んでいたところ、マフスの『Happy Birthday To Me』が大のお気に入りとのこと(「Gbsと音楽について」のQ8を参照)。しかもカースティ・マッコールの「They Don't Know」をお気に入り曲に挙げているという。なんて分かっている人なんだ! ますますジン・ブロッサムズのことが好きになってしまったよ。
試聴サイト(アルバム全曲フル試聴可能)