Ronnie Spector/The Last Of The Rock Stars
★★★
これって絶対に1曲目で損してるよなあ。なんせ、ロニー・スペクターの19年振りとなるソロ・アルバム!で1発目に放たれるのが全く似合っていないハード・ロック・ナンバー「Never Gonna Be Your Baby」なのだ。試聴機で聴いたらゲンナリすること請け合い。2曲目の「Ode To L.A.」以降は安心して聴ける仕上がりなので、試聴する時は必ず1曲目を飛ばすように。独特のビブラートもたっぷりと堪能できるし、ロネッツ好きならば買って損はないはず。
ただ、ゲストの人選はもう少しどうにかならなかったのだろうか。ジョーイ・ラモーンの参加は全くもって正しいのだが、同世代のよしみでキース・リチャーズを招くぐらいだったら、かつて「Say Goodbye To Hollywood」で共演したブルース・スプリングスティーンを再び召喚するべきだった。ツアーの合間にチャーター機で駆けつけてウォーレン・ジヴォンの遺作に参加するほどのメンタリティの持ち主なのだから、もし参加を要請すれば喜んで引き受けてくれたはずなのに。
若手陣のゲストがレヴォネッツにヤー・ヤー・ヤーズというのも合っているようで微妙に間違っている感じ。というわけで、おいらが次作にゲスト/ソングライターとして招くべき人達を挙げておいてあげるぞよ。ブルース・スプリングスティーン、ゴーゴーズ、バングルズ、マシュー・スウィート、マフス、クイアーズ、ヘレン・ラヴ、ジーザス&メリー・チェイン(ウィリアム&ジム・リード)、ファウンテンズ・オブ・ウェイン(アダム・シュレシンジャー)、そしてジル・ソビュールだ。どれも60年代のガールズ・グループが大好きで、それに倣ったシンプルでポップな曲作りを心掛けている人達ばかり。もしカースティ・マッコールが今でも生きていたならば、彼女に一任してみるのも面白かったと思う。