Michael Shelley/Goodbye Cheater
★★★★★
アイタン・マースキーやジョーダン・ジヴォンを取り上げた時にマイケル・シェリーの名前を挙げたら、意外に知られていない事が判明したので改めて紹介しておこう。
彼の音楽性を一言で説明するならば「アレックス・チルトン meets ダニエル・ジョンストン」といったところだろうか。ティーンエイジ・ファンクラブのフランシス・マクドナルドとチーキー・モンキーというユニットを組んでいる事からも分かるように、非常にグラスゴー的なギター・ポップである。ただし、あくまでも彼の本拠地はニューヨークであり、こうした音楽を仲間内でぬくぬくと奏でているのではなく、大都会でたった一人で奏で続けている、その凛とした姿勢こそが彼の素晴らしさだ。また、ラジオのDJとして活躍していたりと、その確かな音楽観も信頼に値するところ。なんせマフスやクイアーズをきちんと評価し、ウチのサイトまでチェックしてくれているのだぞ。そう、彼は単なる内輪受け好きなギター・ポップ村の住人なんかではないのである。
本作は2005年に発表された4thソロ・アルバム。私見では彼の最高傑作だ。これまでになくカントリー色の濃いサウンドで、過去最高にウェルメイドな楽曲が集まっている。キャリアを重ねてどんなに洗練されてきても、あくまでもハンドメイドな手触りがするところが良いんだな。ローラ・カントレルとのデュエット「I've Been Trying」あり。全14曲33分。必聴。