- 映画『スタスキー&ハッチ』(監督:トッド・フィリップス)観賞。★★★。
70年代の人気TVシリーズをベン・スティラー&オーウェン・ウィルソンの主演で映画化したもの。キッチュ指向という意味では『Ella Enchanted』と同じだが、こちらはただの刑事アクションで、『ビッグ・バウンス』(オーウェン・ウィルソン主演)並にゆるい作りなので、観ていて悪い気はしない。トッド・フィリップスの出世作である『ロード・トリップ』のヒロインだったエイミー・スマートが顔を見せているのは嬉しかった。
映画『The Station Agent』
(監督&脚本:トーマス・マッカーシー)
★★★★★
『Elf』の小人役でお馴染みのピーター・ディンクレイジが、アカデミー賞の前哨戦とされているアメリカ映画俳優組合賞の主演男優賞に、昨年ジョニー・デップ等と並んでノミネートされてたって知ってた? 実はおいらも最近まで知らんかった。で、その主演映画が本作というわけ。トーマス・マッカーシーは役者としての活動が中心で、監督&脚本家としてはこれがデビュー作になる。
ピーター・ディンクレイジとボビー・カナヴェールとパトリシア・クラークソンというはみ出し者の友情を中心に描いた、長屋もの人情コメディの変形で、非常に地味な内容だがとても美しい映画だった。特に「気まずい会話」の演出が絶品で、登場人物が心を通わせるようになるまでの過程に物凄く説得力がある。
ピーター・ディンクレイジはまるで演技力のあるゲイリー・クーパーのようで恐ろしくかっこいい。図書館職員のミシェル・ウィリアムズ(とてもキュート)が惹かれるのも無理はないように思える。ボビー・カナヴェールは、バカだけど人の良いキャラをまるで地であるかのようにさらっと演じている。パトリシア・クラークソンは最近の好調を維持した名演。その他の小さいキャストにもそれぞれきちんと見せ場があり、ちゃんと印象に残るものになっているのには恐れ入った。低予算のインディー映画ではあるものの、使える素材を最大限に活かした無駄のない作り。
押し付けがましくないポジティヴィティと、アメリカの田舎町の(夏の午後の)けだるい風景がなんとも心地良い。おいらはジョン・セイルズの『パッション・フィッシュ』を思い出したりもした。88分と短いのも嬉しい。っていうかなんで日本公開されないかなあ。内容はお墨付きなのに。やっぱり主役が小人だから?