アンドリュー・ヘイの『荒野にて』については以前に「『ケス』+『SWEET SIXTEEN』という感じで、アンドリュー・ヘイのキャリア史上もっともケン・ローチ色の強い作品」と書いたので、インタビューの冒頭で『ケス』に言及した常川拓也さんはナイス(実際にアンドリュー・ヘイ自身も『ケス』を意識していたらしい)。
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日本最高の映画祭こと第28回レインボーリール東京の開催が発表されましたが、7月6日に開催する「サム・フリークス Vol.5」と日程が一部被ってしまい大変申し訳ありませんでした! そりゃあまあレインボーリール東京は7月12日以降のスパイラルホールでの開催が実質的な本番であるとはいえ、だ。
この罪滅ぼしとして(「アイルランド映画が描く『真摯な痛み』」で『マッド・メアリー』を上映したのに続いて)サム・フリークスの方でもそのうちレインボーリール東京関連のLGBT映画を再び上映したいと思います。とりあえず『トレインスポッティング』と並ぶ90年代半ばの英国を代表する青春映画クラシック『とても素敵なこと -初恋のフェアリーテール-』なんてどうでしょうか。この映画ってママ・キャスの楽曲が大フィーチャーされているんだけど、彼女のポップ・ミュージック界におけるはみ出し者っぷりと、主人公達のそれが重ねられていて最高なんすよね。
自分にしか作れない音楽を作らなきゃ
歌うの あなただけの特別な歌を
自分だけにしか作れない音楽を
たとえ誰も一緒に歌ってくれなかったとしても
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ブリー・ラーソンの活き活きとした表情が最高だった『キャプテン・マーベル』(監督は「サム・フリークス Vol.2」で上映した『シュガー』のアンナ・ボーデン&ライアン・フレック)。さて、「エラスティカを2019年も忘れてないのは私だけかとあきらめてた」というのは言葉のあやであることを承知で無粋なことを書いておくと、昨年日本でも上映されたM.I.A.のドキュメンタリー『マタンギ /マヤ/M.I.A.』は彼女がエラスティカのアートワークやPVを手掛けていた映像作家時代の話が中心なので(エラスティカ/ジャスティーン・フリッシュマンもガンガン登場する)、心ある人はすでにエラスティカのことを思い出していたと思います。で、そこに真打として登場したのが『キャプテン・マーベル』だったというわけだ。
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「サム・フリークス Vol.4」の打ち上げで話したよもやま話としては、
・私の上映イベントは、できるだけ作品の男女比が均等になるように2本立てのプログラムを組んできたんだけど、そういうところまで気付いてくれた人はさすがにいない(いわゆるシネフィル/映画マニアの人が作品を選ぶと「男の映画」に偏りがちな気がするし、それは内在化された古臭い男尊女卑観を垂れ流しているのと同じなので。フランシス・マクドーマンドがアカデミー賞のスピーチで語っていた「Inclusion Rider」ではないけれど、そういうところまで意識的に取り組んでいかないと世の中は良くなっていかないと思う)
・マックス・ランディスの監督デビュー作『Me Him Her』は上映候補作品だったんだけど、彼がセクハラで複数の女性から訴えられたので候補から外れました(相も変わらず松江哲明に仕事を振ったりウディ・アレンを持て囃す映画業界の人間はクソだと思うし、そういう人間と同じ穴のムジナになりたくないので)
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「サム・フリークス Vol.4」にご来場いただき誠にありがとうございました! 皆様のおかげで41060円のドネーションが集まりましたので、さっそく認定NPO法人 3keysへの振込手続きを行ってまいりました(「181001」は振込み識別用のID番号です)。3keysでは1人の子供をサポートするのに月5000円程度かかるそうなので、今回も半年以上に渡って1人の子供をサポートし続けられるだけの寄付ができました。本当にありがとうございます!
イベント第5弾「サム・フリークス Vol.5」は7月6日(土)に同会場・同時間帯で開催いたしますので引き続きよろしくお願いします!