ついに日本でも最終シーズンの配信が始まった『デリー・ガールズ』。最後の最後まで本当に素晴らしかった! 最終回ではデリー・ガール達の青春の終わりと1998年のベルファスト合意(聖金曜日合意)が重ねて描かれているんだが、決して感傷的な内容になっていないのは、1つの時代が終わったことによって物事が良い方向に進んでいった(少なくとも、悪くはならなかった)という作り手の実感と事実に裏打ちされているからだろう。そういう物語は強いよ、やっぱり。
あと、北アイルランドの人々にとってアンダートーンズの「Teenage Kickes」は国歌のような存在であることが分かったりもする。あの曲は北アイルランド紛争の中でずっと押さえつけられてきた若者(達)の、恋をしたりして自由に生きていきたいという根源的な想いが表出したナンバーなのだが、第5話ではきちんとそれを踏まえた使い方をしているのが最高。他にもシーズンの前半でビューティフル・サウスの「Perfect 10」(名曲)が小出しにされていると思ったら第6話でデリー・ガール達がファットボーイ・スリムのライヴに足を運んだりとか、今回も気が利きまくっております!
ファットボーイ・スリムのノーマン・クックは元々はハウスマーティンズのベーシストで、ハウスマーティンズのソングライターだったポール・ヒートンが後に結成したのがビューティフル・サウス(英国の国民的バンド)。そのビューティフル・サウスの楽曲にノーマン・クックが手を貸して完成したのが「Perfect 10」なのです。