The Queers/Reverberation
★★★
デイヴ・クラーク・ファイヴの「Give Me Love」から始まるクイアーズのカヴァー・アルバム。
以前にもラモーンズの『Rocket To Russia』の全曲カヴァー集があったりもしたが、本作では彼等のポップネスのルーツを訪ねていくかのような選曲で、たとえばビーチ・ボーイズの「Be True To Your School」だけではなくて、ジャン&ディーンの「Deadman's Curve」もカヴァーして60年代サーフ・ポップからの太い幹をアピール。また、ザ・フー「The Kids Are Alright」の新・旧カヴァーの違いに顕著なように、以前はパンク的なBPMブーストも多かったところが、本作ではパワー・ポップ的なアプローチに近付いていて、これはこれでいい感じ。
「Valleri」と「(I’m Not Your) Steppin’ Stone」の2曲のモンキーズ・カヴァーを聴くと、彼等のデビュー・アルバムに「I'll Be True To You」のカヴァーが収録されていたことも思い出す。ちなみに「(I’m Not Your) Steppin’ Stone」の初出は実はモンキーズではなくてポール・リヴィア&ザ・レイダーズなんだが、ポール・リヴィア詣として「Hungry」まで取り上げてくる辺りがジョー・クイアーの匠の技ですな。