The Queers/Save The World
★★★★★
ジャケットは酷すぎるが中身は最高! 近年は散漫な再演アルバムやスプリットなどの煮え切らないリリースが続いていたクイアーズだが、『Back To The Basement』から10年ぶりの新作オリジナル・アルバムとなる本作は久しぶりにポップ全開だ!
全編にビーチ・ボーイズ色強めなポップ・ソングを配しつつ、隠し味的にハード&ヘヴィなナンバーを置いて引き締めるという構成は過去作でいうと『Move Back Home』に一番近いかも。本作は彼等の最高傑作である『Pleasant Screams』と同様にジョーイ・ラモーンに捧げられているとのことで、ジョー・クイアーがそういうことを言い出す時はマジで気合が入っている証拠だからな。今年日本公開された映画『ジョウブレイカー/ドント・ブレイク・ダウン』にも出演していたベン・ウィーゼルは名曲「Bubblegum Girl」を提供し、リサ・マーは「Let The Rain Wash Away My Tears」にソングライターとして参加するなど、お馴染みの外部の面子も好サポート。かつての名曲「Today I Fell In Love」の名フレーズをそのまま曲名にした「My Heart's In The Right Place」なんてナンバーがあるのも嬉しくなるね。3コードの使い方の教科書として後世まで聴き継がれていくべき大傑作。全15曲31分。