The Queers/Back To The Basement
★★★★
ジョー・クイアーがしきりに「今度はパンク・アルバムだ!」と豪語していたので、『Beyond The Valley Of The Assfuckers』の悪夢再びか…と懸念していたら、意外とポップ度は落ちていなかったので安心した。
たしかにジョー・クイアーの言葉通りに近作のような華やかさは控えめになっているんだが、それはすなわちビーチ・ボーイズ度が低めになっているということであって、相対的にはクイアーズ史上最もラモーンズ度の高いアルバムになっていると言えるのではないだろうか。『Grow Up』〜『Love Songs For The Retarded』の頃の雰囲気に近いとも言える。共作曲が多いジョー・クイアーにしては珍しく(カヴァー曲を除くと)自身が単独で作詞作曲したナンバーのみで占められているのも本作の大きな特徴だ。ティーンエイジ・リハブのメンバーが全面的に参加していることにも注目すべし。
「High School Psychopath Part 2」の続編といった趣きの「Pull Me Out Of It」、GGアリンとバンド仲間だったジョー・クイアーだからこそ歌える「I Knew GG When He Was A Wimp」、(ヘンリー・ロリンズ加入前の)ブラック・フラッグのカヴァー「White Minority」、「パイズリ」という直球なタイトルからして素晴らしい「Titfuck」などなど、ジョー・クイアーのパンク魂が炸裂した楽曲群。ブロンディの「Sunday Girl」、ナンバーガールの「TUESDAY GIRL」、シンプル・マインズの「Saturday Girl」に続く「デイガール」シリーズの決定版「Everyday Girl」もあるよ。全13曲22分。