10月31日は東京国際映画祭で『カンボジアの失われたロックンロール』(1960年代から70年代前半にかけて活躍したカンボジアのミュージシャンの多くがポル・ポト政権下で殺害された話)を観てからポール・マッカートニーの来日公演に行ったんだけど、よく考えたらポールって1979年に(ライヴエイドのプロトタイプになったともいえる)カンボジア難民救済コンサートを開催していましたね。そしてクイーンもそこに出演していましたね。
1970年代半ばから1979年にかけて、カンボジアはポル・ポト政権下で100万人とも200万人ともいわれる人々が虐殺された。特に知識人は真っ先に殺されたのだが、なぜかというと「知識のある奴は従順じゃなくて、政権の矛盾点をすぐにツッコんできて面倒臭いから」。で、クイーンはカンボジア難民救済コンサートに出演していたことからも分かるようにそうした体制に反対する人達であったわけで、知識があって映画『ボヘミアン・ラプソディ』に不満がある人はきちんとそれを表明していった方がいいと改めて思いました。
ポル・ポトは「ポル・ポト政権には知識人が不要。知識があるもの、技術があるものは共産主義の邪魔になる」と考え、「政治を行う者以外は知識を持つ必要がない、原始時代のような平等な生活が理想」という思想のもとに政治を執り行ったのです。
(中略)
次第にポル・ポトの虐殺はエスカレートしていきました。歌手や俳優などのいわゆる芸能人、僧侶、有名人なども虐殺の対象となりました。さらに、文字が読めるというだけで「知識人」=「不要」とされて処刑されたり、「海外に行ったことがある」=「知識人」、「眼鏡かけてる」=「知識人」、美男美女(もはや意味が分からない)なども処刑の標的になったのです。