映画『McFarland, USA』(監督:ニキ・カーロ)観賞。★★★★★。
アメリカの最貧地域であり、ヒスパニック系住民が多数を占めるマクファーランドの高校で全米一のクロスカントリー・チームを育て上げたコーチとその生徒達の物語。これはヒスパニック版『がんばれ! ベアーズ』であり『遠い空の向こうに』だ。クロスカントリー・チームの生徒達が縦横無尽に野山を駆け巡る姿は、貧困から抜け出して自由になりたいと願う彼等の夢への希求そのもの。そして、全国大会で優勝すればスポーツ推薦で大学に進学することができるわけで、経済的な問題に対する現実的な解決策でもある。そんな彼等は、マクファーランドの人々を鼓舞する希望の象徴にもなっていく…。実際にマクファーランドは全米を代表するクロスカントリー・チームが誕生したことによって大きな変化がもたらされたとのこと。移民国家であるアメリカならではの映画を、ニュージーランド人女性のニキ・カーロ(『クジラの島の少女』)が撮っているってのも素敵じゃないか。あまりにも上手く話が進むので逆に不安になってくるぐらいに素晴らしい。おいらも高校時代はオリエンテーリングの選手としてインターハイに出場して野山を駆け巡っていたので、本作には胸が熱くなりっぱなし。コーチ役にはケヴィン・コスナー。やっぱりこの人にはスポーツ映画がよく似合う。彼が仏頂面で子供用自転車に乗って生徒達と並走する姿の微笑ましいことといったら!