
映画『生きていてすみません!』(監督:リッカルド・ミラーニ)観賞@イタリア映画祭。★★★★。
『お熱いのがお好き』や『Mr.レディMr.マダム』などの系譜に連なる「偽装コメディ」だが、本作の場合は「(日本社会に通じる状況だと思われる)保守的なイタリア社会では、女性が“女らしい女”を偽装しないと生きていけない」という話になっているのがキモ。それはつまり作り手が「保守的な人間/社会が女性に求めている“女らしい女”像って変だよね」と考えているということであって、まずはその真っ当な視点が何よりも嬉しい。そして、そこから派生されるイタリア映画らしいベタなネタ/ギャグの数々も、時代に合わせて徹底的に更新されているのがひたすら気持ち良い。これこそが新作映画を観る醍醐味というものだ。特に主人公がゲイの友人と添い寝する際に呟く、「私が女じゃなかったら、私達って理想的なカップルなのにね」という台詞には感動した。少し前までの映画ならば、きっと「あなたがゲイじゃなかったら、私達って理想的なカップルなのにね」という(無意識的に同性愛者を否定する)台詞になっていたはずだから。社会全体の変化への予兆をさらりと描いたエンディングも素敵です。
